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Dream Theater

 Dream Theater
 Train of Thought
 現代プログレッシブHR/HMの代表的バンド、DREAM THEATERのバンド史上、最も攻撃的でタイトなアルバム。アルバムジャケットが象徴するようにその音像が与える印象は、余分な装飾の無い内省的な白黒の世界そのものである。このアルバムは、①、②、④のようにヘヴィで今までに無い程正統派ヘヴィメタル的要素が強い楽曲と、③、⑤、⑥、⑦のような要所要所に効果的に配置されたドラマティックなパートが聞き手を存分に彼らの世界観へと引き込む楽曲とで構成されており、10分前後の曲が連発されていながらも中だるみなど一切無い作品に仕上がっている。意識的なまでにヘヴィメタリックな音作りと、一切の贅肉を削ぎ落としたスリリングな演奏・曲展開はアルバムを通して貫かれており、そこには必要以上の感傷は存在しない。特にJohn Petrucci(Gr.)の過剰なまでに(時に神経質なまでに)、あえて弾いて弾いて弾きまくるギタープレイと要所要所に飛び出すJordan Rudess(key)のドラマティックなピアノフレーズは圧巻で、普段こういった音楽を聞かないリスナーには強烈だろう。複雑な曲展開や演奏力に重きを置くプログレッシブロックならではの知的な魅力と本来HR/HMが持つべきダイナミズム両面に優れたこのアルバムもまた、Rockの持つ一面なのであーる。

チーム★アメリカ

team

http://www.teamamerica.jp/

いやーもう なんつーか、楽しみにしてます。

テーマソング(?)が最高なんです。

Hoobastank

Hoobastank
The Reason
最近のアメリカのロックバンドっていうのは、以前に比べてジャンル的に曖昧になってる感じがします。以前ならハードロックはこう、パンクはこう、というある種決まった音がイメージとしてあったものですが、ジャンルの枝分かれが激しくなり、ミクスチャー化が進んでいる現在では、あまりそういう区分けは意味を持たないのかもしれません。今日紹介するHoobastankもそういったバンドの一つで、この2ndアルバム「The reason」が各国でヒットしてアメリカの若手を代表するバンドの一つになりつつあります。とくにシングルカットされ多くの人に受け入れられたタイトルトラック⑧は優しいメロディと歌詞がとても印象的な優れた曲です。彼等の作る楽曲にはヘヴィかつポップなものが多いのですが、それとともにどこか(都会的な)寂しさというか愁いを含んでいるのがとても特徴的で、UK出身バンドの持つ湿り気とはまた違った趣があります。個人的には、早く次のアルバムを聞いてみたいと思わせてくれるバンドです。

The Darkness



The Darkness
Permission to Land (CCCD)
縞柄の全身タイツに身を包み、魅惑のファルセットヴォイス(?)を操るヴォーカルを擁するイギリスの4人組のデビューアルバム。80'sの香りを濃厚に漂わせた力強くポップなハードロックは古い世代には懐かしく、若い世代には新しく感じられるでしょう。ジャスティン・ホーキンスの特異なヴォーカルスタイルに注目が集まりがちですが、メロディを大切にした曲作りや丁寧な演奏は彼等のキャリアがきちんとしたものである事を示しています。アルバムの幕開けにふさわしいパワフルな①、ファルセットヴォイス大解放の②、湿ったコーラスが印象的なミドルテンポの③、80'sにタイムスリップさせてくれるハードロックな④、ジャスティンの優しげなヴォーカルが心地いいバラードの⑤、⑩、AC/DC風の⑥等、想像以上にバラエティ豊かで、頑固なROCKファンも充分に楽しめる内容に仕上がっていると思います。何より曲の配置が良く計算されていて、飽きの来ないアルバム作りに成功しています。まだ未聴のRockファンは是非どうぞ。

Vicious Rumors



Vicious Rumors
Welcome to the Ball
正統派Heavy metalを代表するバンドと言えばJudas PriestやIron Maiden等が有名ですが、このVicious Rumorsも、1991年に発表した彼等自身4枚目となるこのアルバムで、若手の実力派HMバンドとして一気に認知されました。パワフルなハイトーンヴォーカルにテクニカルなツインギター、タイトという表現がピッタリのリズム隊は伝統的な正統派HMスタイルそのもの。とはいえ、ヨーロッパのバンド等にありがちなHM独特の大袈裟すぎる表現スタイルを避け、ドライに切れ味鋭く進行していく楽曲の数々はとてもスマートな印象を聞き手に与えます。また、強靭なノドを持ち、低音域から高音域まで分厚く表現力豊かに歌い上げるカール・アルバートのヴォーカルは一聴の価値大いにアリです。低音でうねるように刻む重いリフが印象的な①、HMのお手本のような疾走チューンの②、⑤、⑥、⑧、⑪、畳み掛けるようなリフが気持ちいいミドルテンポの③、⑨、ゆったりと情熱的に盛り上げる⑩など、アルバムをどこからどう聞いてもHMそのもの。超名曲はありませんが、アルバム一枚を通して非常にクオリティの高い今作。残念ながら、このアルバムが遺作となってしまったヴォーカルの才能を惜しまずにはいられません。

space cowboy



Space Cowboy
Across the Sky
今日はrockではなくてhouse。houseは生音を使ったサンプリングが多いので、technoやtranceといったダンスミュージックに馴染めない人でも聞き易いのではないかなと思います。このUK出身のspace cowboy、ヴォーカル入りの曲も多いし、princeのカヴァー曲等も収録されていて、funkyでpopな曲は楽しい限りです。フックが効いていてグッとくる印象的なメロディといい、コンパクトにまとまった曲といい、ダンスミュージックとポップミュージックのいい所どりのこのアルバム。ジャンル無視で楽しめる一枚だと思います。

TNT ②



TNT
INTUITION
前回に引き続きTNTです。4枚目のアルバムとなる今作は、前作「TELL NO TALES」 で独自の透明感溢れるハードロックスタイルを確立した彼等が、その路線をより強調して作り上げた作品です。荘厳な①に始まり、意表をつくfunk風の②、そしてTNTの真髄というべき北欧hard popの超名曲③、物悲しいバラードの④、明るいギターリフとポップなコーラスがとても印象的なタイトルトラック⑤、TNTらしくどこか物悲しいポップソングの⑦や⑨など、どこを切ってもTNT節満開の楽曲が並んでおり、この作品をTNTのベストな作品と評する人が多いのもうなずけます。さらに、10数年前にレコーディングされていながら、現在でも全く色褪せないクリアなサウンドプロダクションは完璧の一言です。前作に比べハードさが薄れた分、今まで以上にメロディが強調されており、ポップでありながらも物悲しいフィーリングを持つ美しい楽曲が多数収録されている今作は、メロディの豊かさを求める音楽ファンに自信を持ってオススメできる一枚です◎

TNT


T.N.T.
Tell No Tales
北欧の至宝TNT。ノルウェー出身の彼等は、3rdアルバムとなるこの作品で、数多くのメロディ志向のrockファンに衝撃を与えました。美しいハイトーンを持つvo.のトニー・ハーネル、テクニカルで個性的なソロを聞かせるGr.のロニー・ル・テクロという二人の個性を全面に押し出したpopで透明感溢れるそのサウンドは、美しい北欧のイメージをそのままロックに投影したかのようです。力強い①から爽やかなミドルテンポの②、そして飛翔感満点の名曲③へと続く展開は圧巻で、その後も超ポジティブなリフから始まりロニーの変態ギターソロが炸裂する⑦、静かで美しい⑨、疾走HMチューン⑪など、短いインストを挟みながらトータル30分程度で一気に駆け抜けてしまうこのアルバムは、彼等の代表作の一つと言っていいでしょう。これ以降の作品では洗練されていくにつれて、少しづつ減少していく荒々しさを残しているのもまた魅力の一つとなっています。

香港国際警察 NEW POLICE STORY

ジャッキー久々の香港作品は、アクション、スタント、笑い、そして感動。素晴らしい娯楽作品に仕上がっています。映画人としての彼のひたむきさには敬意を表さずにはいられません。「昔はスポーツカーでした。今はクラッシックカーになってしまいました。でも、一番早いクラッシックカーでいたいと思っています。」来日した際にそう話したジャッキーにはこれからもずっとヒーローであり続けて欲しいと思います。生き様がrockです。

MAROON 5


MAROON 5
songs about jane
このCDが発売されてから早くも1年半近くが経ち、最近のバンドには珍しく、じわじわと人気が出て息の長いヒットになりました。R&Bテイストの落ち着いたロックは耳に馴染みやすく、普段rockを聞かない人でも抵抗なく聞けるでしょう。ノリのいい①からヒットシングル②、しっとりと聞かせる④、優しく響く⑦⑧⑫、ファンキーな⑪など、アルバム一枚を通して飽きさせない曲が並んでいます。彼らの場合、リズムを走らせて疾走感を出す一般的なrockの手法ではなく、リズムを歩かせて雰囲気を作り出すR&Bやpops的なアプローチにその個性が表れています。そういった部分が、アルバム全体に心地よい統一感を醸し出しています。聞き手の心をonからoffに気持ちよく切り替えてくれる、大人の為のrock&popsアルバムです。