Vicious Rumors | Rockbox

Vicious Rumors



Vicious Rumors
Welcome to the Ball
正統派Heavy metalを代表するバンドと言えばJudas PriestやIron Maiden等が有名ですが、このVicious Rumorsも、1991年に発表した彼等自身4枚目となるこのアルバムで、若手の実力派HMバンドとして一気に認知されました。パワフルなハイトーンヴォーカルにテクニカルなツインギター、タイトという表現がピッタリのリズム隊は伝統的な正統派HMスタイルそのもの。とはいえ、ヨーロッパのバンド等にありがちなHM独特の大袈裟すぎる表現スタイルを避け、ドライに切れ味鋭く進行していく楽曲の数々はとてもスマートな印象を聞き手に与えます。また、強靭なノドを持ち、低音域から高音域まで分厚く表現力豊かに歌い上げるカール・アルバートのヴォーカルは一聴の価値大いにアリです。低音でうねるように刻む重いリフが印象的な①、HMのお手本のような疾走チューンの②、⑤、⑥、⑧、⑪、畳み掛けるようなリフが気持ちいいミドルテンポの③、⑨、ゆったりと情熱的に盛り上げる⑩など、アルバムをどこからどう聞いてもHMそのもの。超名曲はありませんが、アルバム一枚を通して非常にクオリティの高い今作。残念ながら、このアルバムが遺作となってしまったヴォーカルの才能を惜しまずにはいられません。