Dream Theater | Rockbox

Dream Theater

 Dream Theater
 Train of Thought
 現代プログレッシブHR/HMの代表的バンド、DREAM THEATERのバンド史上、最も攻撃的でタイトなアルバム。アルバムジャケットが象徴するようにその音像が与える印象は、余分な装飾の無い内省的な白黒の世界そのものである。このアルバムは、①、②、④のようにヘヴィで今までに無い程正統派ヘヴィメタル的要素が強い楽曲と、③、⑤、⑥、⑦のような要所要所に効果的に配置されたドラマティックなパートが聞き手を存分に彼らの世界観へと引き込む楽曲とで構成されており、10分前後の曲が連発されていながらも中だるみなど一切無い作品に仕上がっている。意識的なまでにヘヴィメタリックな音作りと、一切の贅肉を削ぎ落としたスリリングな演奏・曲展開はアルバムを通して貫かれており、そこには必要以上の感傷は存在しない。特にJohn Petrucci(Gr.)の過剰なまでに(時に神経質なまでに)、あえて弾いて弾いて弾きまくるギタープレイと要所要所に飛び出すJordan Rudess(key)のドラマティックなピアノフレーズは圧巻で、普段こういった音楽を聞かないリスナーには強烈だろう。複雑な曲展開や演奏力に重きを置くプログレッシブロックならではの知的な魅力と本来HR/HMが持つべきダイナミズム両面に優れたこのアルバムもまた、Rockの持つ一面なのであーる。